袴田事件は、昭和41年に静岡県で起こった一家4人殺害事件であり、袴田巌さんが長年死刑囚として服役した冤罪事件です。
事件で生き残った長女の証言や態度に関して、報道やインターネットで「不気味」と感じられることが度々取り上げられています。
長女の人物像を3社の取材内容から掘り下げ、なぜその証言が不気味とされるのかを考察します。
袴田事件の長女の証言が不気味な理由は取材の不一致か？
長女は、事件当時19歳で、親類宅に避難していたため、家族の中で唯一生き残った人物です。
しかし、その後の証言や行動に関して、インターネットでは「長女が犯人ではないか」という根拠のない噂が流れ、注目を集めることとなりました。
彼女は家族を一度に4人も失った悲劇の中、どのようにこの事件と向き合ってきたのでしょうか？
彼女の証言が不気味と言われる理由を考察するために、3つのメディアの取材をもとに見ていきます。
1. 朝日新聞の取材内容
朝日新聞の取材では、長女は「もし袴田さんが無罪ならば、一日も早く真犯人が見つからないと、仏様は浮かばれない」と語っています。
『朝日新聞』の取材に対し「もし袴田さんが無罪なら、一日も早く真犯人が見つからないと仏様は浮かばれない」と話していた
この発言からは、家族を失った悲しみと、冤罪の可能性に対する混乱が見て取れます。
長女のこの証言が「不気味」と感じられる背景には、袴田巌さんが冤罪であると認められ始めた状況に対して、彼女が直面する感情的な複雑さがあるのでしょう。
長年「犯人は袴田だ」と信じていたかもしれない状況が覆される中で、自分の中で整理がつかない思いが伝わります。
2. 読売新聞の取材内容
読売新聞の取材では、長女は「もう昔のことです。もう何も知らない。私には関係ないわよ」と話しています。
『読売新聞』の取材に対しては「もう昔のことです。もう何も知らない。私には関係ないわよ」と語っている
この証言は、事件や裁判に関する話題を避けたいという態度を示しており、距離を置こうとする様子が感じられます。
この無関心な発言が「不気味」と感じられる理由は、普通なら家族を失った人が事件について語るときに強い感情を示すことが予想されるためです。
ただ日々重なる取材にうんざりしていたとも考えられるので一概には言えません。
逆に感情を抑え、淡々とした態度を取る長女の姿が、一部の人に違和感を与える要因となっているのかもしれません。
3. 毎日新聞の取材内容
毎日新聞によると、長女は「裁判はもう終わった。話すことはありません」と答え、再審請求や袴田巌さんの冤罪疑惑に対しても、関心を示していなかったようです。
同月20日に『毎日新聞』の取材を受けた際には「裁判はもう終わった。話すことはありません」と話していた
また、長女は晩年に精神的な問題を抱えていたとの報道もあり、その影響で事件について深く考えることを避けるようになっていたのかもしれません。
長女のこの無関心な姿勢が「不気味」と感じられる理由は、事件や裁判が進む中で、関わりを拒むかのような発言に違和感を覚える人がいるためです。
こちらも上記と同様、取材にうんざりしていた可能性もあります。
袴田事件の長女の証言が不気味を感じる理由とは？
長女の証言が「不気味」と感じられるのは日々の取材や噂話にうんざりしていたためと言えるかもしれません。
それが感情や事件への関心が表に出てこないというに見えたのかもしれません。
長女の息子さんは母親が事件の直後に重度のうつ病を患い入院したことを語っています。
長女の息子（A夫婦の孫）である男性は自身の母親について、事件後に重度の鬱病を患って精神科病院に入院していた時期があり、テレビを見ず携帯電話も持たない生活を送っていたため、裁判の動向も含めて理解できていなかったと主張している。またインターネット上では根拠なく長女を犯人視する書き込みや、「家族からのけものにされていた」など無根拠な内容の書き込みが飛び交っている
事件そのものの複雑さや長期にわたる再審請求によって、感情的に疲弊し彼女の言動が一貫しなくなり証言が不気味と言われることになった要因の可能性が高いと考察します。
まとめ
袴田事件の長女の証言や態度が不気味と感じられる理由は、彼女の感情や態度が一般的な被害者像とは異なる点にあります。
しかし、彼女が家族を一度に失うという大きな悲しみに向き合い、また長期間にわたる再審請求の影響で、精神的な負担を抱えていたことも無視できません。
彼女の証言が「不気味」と感じられるのは、その背景にある感情の複雑さを理解しきれないことから来ているのかもしれません。
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